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①大規模修繕とは? |
よくマンションなどの建築物で見かけることがある大規模修繕とは、どのようなことを指しているのでしょうか。また修繕と改修とではどのような違いがあるのかも気になります。今回は、大規模修繕についてと、修繕と改修の違いについても紹介していくので、参考にしてみてください。
大規模修繕とは?
大規模修繕とは、マンションなどの経年劣化に合わせて実施する、計画的な修繕工事のことを指しています。建物や設備が老朽化して劣化すると、不具合が発生してトラブルに発展してしまう恐れがあるでしょう。そういった問題を防ぐため、管理組合が主体となり、長期修繕計画に基づいて、計画修繕を行うのです。
計画修繕が行われるための費用は、修繕積立金が充当され、工事の中でも大規模で高額な工事が行われることを大規模修繕と呼びます。
大規模修繕の具体的な内容としては、外壁補修工事・屋上防水工事・鉄部塗装工事・給水管取り替え・排水管取り替えなどが実施されることが一般的です。
大規模修繕のメリット
大規模修繕を行うメリットとしては、居住所にとって日々の暮らしが快適になるという点が挙げられます。大規模修繕を行うことで、給排水システムの旧式化や電気容量の不足などの問題を改善することに繋がるのです。
他にも、建物の共用部分や全体の性能を向上させることにもなります。バリアフリーやセキュリティ、耐震性などの不備を解消することで安全性を向上させることが可能です。外装や内装のデザインをリニューアルすることにも繋がります。
このように、マンションなどの建築物が大規模修繕することで、機能や性能を低下させることなく、長く住む安心感を与えることができるのです。
修繕と改修の違いとは?
大規模修繕では、修繕以外にも改修を行うことがあります。2つの違いはどのような部分があるのでしょうか。
・修繕とは
まず修繕とは、経年劣化などが原因で劣化や不具合が生じた建物や建物の一部、設備などに対して修理や取り替えを行い、問題部分の機能を利用できるレベルに回復させることを修繕といいます。
回復のレベルは、応急処置といった対応ではなく、建設当初の水準まで戻すことから、十分な機能で生活することが可能です。大規模修繕の場合は、この修繕を一定の年数ごとに計画的に実施していきます。
・改修とは
マンションが求められる性能や機能は、年々高まる傾向にあります。特に新築マンションと比較すると、高経年のマンションは遅れを取ってしまう可能性があるでしょう。
高経年のマンションを現在の生活水準に合うように、グレードアップし、改良する工事のことを改修と呼びます。
修繕はマンションの性能を維持し、水準をもとに戻すための回復を行う作業になりますが、改修は時代の変化に伴い、現在の生活水準に合わせて、機能や性能をグレードアップさせるものです。
また修繕は計画的に行われるものですが、改修はオーナーなどの意向でいつでも行われるのも違いの一つになります。それぞれ微妙な意味合いが異なるので、事前に把握しておくようにしましょう。
大規模修繕は居住者のために必要なこと
年単位で計画的に行われる大規模修繕ですが、居住者が十分な暮らしを行うためには必要な作業になります。大規模修繕を実施しないと、劣化や不具合が生じてしまい、住みにくい環境となってしまうでしょう。
また改修を行うことで、生活水準の向上を目指すこともできるので、修繕と改修の違いについても、どのような違いがあるのか把握しておくことが大切です。
大規模修繕によって、マンションなどの建築物では暮らしやすい環境が整うので、住んでいるマンションが大規模修繕を行う際は、協力的になることが重要になります。